2021年4月28日 (σの日)
前回
ZF(#’)-(ω)+¬(ω)・・・(1)
vs
メタ(ZF(#’)-(ω))・・・(2)
を考え、(1)+(2)で矛盾する時。
(1)は無矛盾なのに、(1)+(2)が矛盾する可能性について言及しました。
こうなると、ZF矛盾に到達できません。
何とか、(1)+(2)の矛盾から(1)の矛盾を出したいわけだ。
この為に、どうすれば良いのか?
というわけで、以下、前回の続きになります。
まずは、今までのコード先を{1,0}語ベースから。
自然数ベースに変更し。
更には、自然数のリストで留めず、最後まで自然数としてコードするの。
これがゲーデル方式ですが。
キチンと区別するため、自然数へのコードをσとすると。
集合表現{x|φ(x)}のコード結果
σ({x|φ(x)})
が決まり。
(ZF(#’)-(ω))SET((⏀2))のコード結果
σ((ZF(#’)-(ω))SET(⏀(2)))
も決まります。
そこで、自然数
σ((ZF(#’)-(ω))SET(⏀(2)))
と
σ((ZF(#’)-(ω))SET(⏀(ω)))
の大きい方より、更に大きい自然数Jを取り。
ωの代わりに、有限のJまで考えます。
これで、
「σによるコード結果がJ以下になる{x|φ(x)}表現」
というものが数学的にハッキリ決まります。
この表現族をYとすると。
Yには⏀(2)も⏀(ω)も含まれます。
自然数へのコードというのは、こういう時に便利なのよ。
分かったかな、コードの伏線が。
但し、計算機向けには、{1,0}語の方が馴染むな。
実際、計算量理論と繋がるし。
これについては、後に。
さて、勝負は、ここからです。
前回、メタのβ’の方はV(ω)で考えていたわけですが。
これは、ZF(#’)-(ω)からの(ω)の独立性を確認したかったから。
この確認がV(ω)で出来ることは当然ですが。
V(J)で確認できるのか?
もしできるなら、(1)+(2)の矛盾の原因である
「β’で(ω)を使う」
が回避できるように見えます。
しかし、V(ω)を途中でチョンギルと、ZF(#’)-(ω)のモデルになりませんね。
冪集合の公理なんかが成立しなくなりますから。
よって、この方向の考察はストップ。
Jを考えたのは、別の伏線意図があるからです。
以下、
(ZF(#’)-(ω))SET(x)の定義中の
(∃α)(x∈V(α))
でのαの具体例としてJを採用し。
(ZF(#’)-(ω))├ x∈V(J)
ベースで考察します。
これで、無限が介入する余地がなくなるという作戦。
この結果、集合関数μ’(x)が、“”コードの場合と同様に決まります。
さて、上で気軽に
「Yには⏀(ω)が含まれる」
と述べました。
σコードで考えれば、確かに含まれます。
一方で、⏀(ω)の定義は(ω)公理から来ています。
具体的には
∃Y(⏀∈Y∧ ∀x∈Y(x∪{x}∈Y))
ですね。
ここから
⏀(ω)={Y|(⏀∈Y∧ ∀x∈Y(x∪{x}∈Y))}・・・(3)
と設定しました。
上で、この⏀(ω)はYに属すると言いましたが。
何故、そう思ったのか?
σ((ZF(#’)-(ω))SET(⏀(ω)))がJより小さいからですね。
しかるに、一方で、(ω)はV(ω)で評価するとNoのはず。
それが、(ZF(#’)-(ω))からの独立ということです。
だったら、⏀(ω)はYに属してはいけないのでは?
これは、どういう相克なのか?
ここでZF矛盾の本質に迫っているのです。